思い出

何しに来たんですか

暇つぶしってありますよね。 多くの場合はすべきことから逃げているだけ、という説もありますが、暇なときはあるんです。 それはとある夏の日の午後、コンビニにフラッと入って買い物を済ませ帰宅しようとしていた暇な午後です。 私の家の近所で、今度建てら…

他人の夢に厳しい男 (後編)

Wは他人の夢に厳しい。 お笑い芸人になることを目指していた友人が一般企業に就職をするという話を聞いて、蛇蝎のごとく忌み嫌っていた。自分にはできない夢を追う他人がうらやましいから、その夢をあきらめてほしくなかったのだろう。 時は流れて、大学も4…

他人の夢に厳しい男 (前編)

大学の時、とある英語の授業で隣り合った男に話しかけられた。 Wとしよう。 Wは私とは違う学部で、会うのはその授業が初めてだった。 Wは人見知りなどしない性格のようで、私に話しかけてきてそれなりに会話できたのが何よりの証拠だ。 また、彼は服装なども…

目が覚めたら

目が覚めたら、壇上に座る白髪の教頭先生が僕をにらみつけていた。 そう、講堂で行われた全校集会で、僕は居眠りをしていた、いつもどおり。 校長先生のありがたい話を、僕は一度も聞いたことがない。 寝てしまうのだ。 あのありがたい話をきちんと聞いてい…

T君のこと ④

その日はやってきました。 久々にC君も交えT君と私の3人でT君の家に集まりました。 その日は私が当時渾身の力を込めた新曲を持っていき2人の前で披露しました。 曲がエンディングを迎えます。 しばしの沈黙のあとC君が口を開きました。 「・・・、組も…

T君のこと ③

そうして私の大学生活は、作曲、T君、I君、時に(T君曰く天才の)C君とともに過ぎていきました。 余談ですが、T君は酒好きで、ポケットと背中のリュックに酒を持ち歩くという個性的な男です。 T君と曲を聴かせあう日々は過ぎてゆきました。 その中で私…

T君のこと ②

話は前後しますが、出会ったその日にして(当社比で)親しくなったT君は早速私の家に遊びに来ました。そして私の機材を触りながらおしゃべりしてT君は帰っていきました。T君が帰ったあと私はなんとはなしにYAMAHAのシーケンサーを再生しました。すると、…

T君のこと ①

時々ふと、T君のことを思い出します。T君は、私が大学に入って初めてできた友人です。私は、歩くときにぼんやり考えごとをするくせがあるのですが、入学間もないその日、大学の校舎階段を上がろうとするときに階段の上から一人の学生が降りてくるのを見まし…