矯正歯科の思い出 (前編)

それはかつて私が歯の矯正をしていたときの話です。

 

私が受けたのは、「矯正」と聞いて、おそらく多くの人がイメージするであろう、ブランケットという器具を歯に接着させて、ワイヤーで少しずつ歯を動かしていくあの方法です。

 

経験者でないとわからないと思うのですが、ブランケットやその他の器具を歯につけるのは、かなり邪魔になり、気になります。食事をすると、必ず何かしら挟まってしまい不快です。

私はストレス軽減のためによくガムを噛むのですが、矯正期間中はもちろんNGです。

 

器具は段階に応じて何種類もつけなおします。

そのうち何度か、器具の位置が微妙に合わずうまくしゃべれず、つけなおしてもらったこともあります。

 

本題に入ります。

その、矯正期間中のある日、私は仕事中無意識に舌で器具を触っていました。

 

すると次の瞬間、微妙な痛みとともに、舌がねじれた状態で上の歯に装着した器具に引っかかってしまいました。

あわててトイレに行き鏡の前で引っかかったメカニズムを見ながらとろうとしたのですが、うまいこと外せません。

 

舌がねじれて上の歯の器具に引っかかっているわけですから、当然うまくしゃべれませんし、食事もできない、水も飲めません。

私は、しゃべれないものですから「歯にトラブルあり」と紙に書いて上司にお見せし早退することにしました。

そして、矯正歯科に電話しました。

 

すると聞こえてきたのは・・・、「今週は学界につき休診となります。」というアナウンスです。よりによって今週いっぱい・・・。

 

残念ですが、仕方ありません。なんにせよ、解決しなければならないのです。

私は、職場から近いこともあり、もともとその矯正歯科をご紹介いただいた一般歯科をそのまま訪れました。

 

受付でこう告げます。

「歯が矯正器具に引っかかって取れないので取ってください。」と。

 

無論実際は「はふぁひょうふぇいふぅう・・・。」としかしゃべれていません。

 

なんにせよ、症状は一目瞭然なので状況は伝わりました。

一安心した私ですが、残念なことは続きます。

 

処置をお断りされました。

 

処置をお断りされたのです。

 

曰く、その歯科が設置した器具でないから触ることができない、とのこと。

替わりに適当な近所の矯正歯科の電話番号をグーグルマップか何かで調べて教えてもらいましたが、その間に処置をしてほしいところです。

全く納得できません。

矯正専門ではないとはいえ、プロがそんなこともできないはずはないのです。

 

しかも、もとはと言えば、その歯科に紹介してもらった矯正歯科での器具についての話です。今現在起きているアクシデントなのですから、縦割りに終始せず見てほしいです。

イメージとしては、交通事故にあい血まみれで病院にたどり着いたら、うちは内科だから知らないよ、と言われたような気持ちです。

※後述しますが、最終的には別の矯正歯科で、あらよっという感じですぐ外していただきました。見る人が見たら解決できるトラブルだったのです。

 

 

つづく