ヒーカップの怪

ヒーカップという言葉、ご存知でしょうか。

 

英語にすると「hiccup」。

本来は、しゃっくり、という意味の、歌唱法の名前です。

 

簡単に言うと、歌っている最中に一瞬声を裏返させる技法、とでも言いましょうか。

例を見てみましょう。

 

 

おなじみB'zの「ultra soul」のサビです。

これがわかりやすい。

 

「ゆっめえじゃーないー あっれっもっこっれもおー」

 

の冒頭の「ゆっ」のところが「ヒーカップ」です。一瞬声が裏返っているのがわかると思います。

 

歌の上手い人は、意識しなくても自然にできてしまう、自然にしてしまっていることもあります。効果的に使えば歌にダイナミクスが出ます。

 

そうです。

「効果的に使えば」とても表現豊かになる技法なのです。

 

裏を返せば、必要以上に使えば耳がうんざりし、逆効果、ということになります。

 

juice=juiceというアイドルグループがいます。

以前もこのブログで取り上げましたが、大ファンです。

何しろつんく♂さんはじめ、いろいろな作家が提供する曲がいいし、メンバーもそれぞれ魅力的です。

 

ところが・・・、もうおわかりでしょう。

このグループの中に、1フレーズで1ヒーカップ以上のメンバーがいます。

1曲で何回ヒーカップが登場するか数えてみようかと思ったのですが、中傷になりかねないのでやめます(でも数えてみたいな)。

これはもはや、本人と言うよりディレクターの責任のように思います。

 

過ぎたるは及ばざるがごとし。

ヒーカップは1曲につき1か所で十分でしょう。

 

先日亡くなった高橋幸宏さんもヒーカップの使い手です。

氏も1曲につき複数のヒーカップを使います。

ですが、いわゆる幸宏節というやつでしょうか、これはかっこいい。

ひとえに氏の歌唱力によるところも大きいと思います。

 

それでは本日の投稿は、氏のヒーカップがこれでもかとおそらく意図的に使われる名曲で終わります。