私が学生時代から今に至るまでほぼ友達がおらず、鬱屈した日々を送っていたことは度々書いてきました。
高校時代。
例によって友達はおらず、おまけに成績も悪く常にボトム10に入るような劣等生だったのが私です。
そんな日々だったのですが、7組に所属していた私は同じクラスのI君という変わり者とはなぜか仲良くなることができました。そしてI君も同じくボトム10に位置するような劣等生であったことは言うまでもありません。
そして私はある日、疑問に思っていたことをI君にぶつけました。
「I君、なんで6組の人ってみんなおんなじ顔、髪型で名字がタカハシなの?」
そうです。
私には6組の男子が皆同じ顔にしか見えないし、なぜか彼らの名字はことごとく「タカハシ」だったのです。
I君は笑って答えました。
「確かに!あのタカハシ達を6組系って呼ぼう。」
そして6組系のタカハシ達はそろいもそろって成績がよく、言わばトップ10を占めるような、私とは何から何まで真逆の人たちでした。
時は流れて幾星霜。
数年前の話です。
就職した私は会社の人事部というところで仕事をしていました。
部長は絵にかいたような傲慢な男で、私は彼と接するのが苦痛で仕方ありませんでした。
そしてある日、残業でへとへとになっていた私はその日の最後の仕事である職員名簿の整理をしていました。
そのときふと部長の名前が目に入ります。
職員名簿には、各々の人事異動の履歴はもちろんのこと、高校からの学歴も網羅されています。いつもなら気にならないその欄になぜかその日は目が行きました。
部長の出身大学は無論東京大学法学部。
頭のいい部長です。驚きはありません。
問題はその後です。
出身高校。
時期こそ違え、部長は私と同じ高校を卒業していました。
つまりはあの高校でボトム10だった私に対して、トップ10だったのが部長なのです。
そして次の瞬間全てが腑に落ちました。
タカハシ。
部長の名前はタカハシです。
そうです。
これも時期こそ違え、部長は6組系だったのです。
私と気が合うはずもありません。
6組系と私の間には、永遠に交わることがない深い溝が依然として横たわっていたのです。
残業で誰もいなくなったオフィスで、ひとり私は苦笑していました。