真夏の夜の弾き語り 前編

それは2年ほど前、いつもどおりYouTubeをランダムに見ていたときの話です。

 

私はとあるギター弾き語りチャンネルに行き着きました。

私が好きな曲が多数アップされていたので、のんびりいくつかの動画を見てみました。ですが、率直に言ってお世辞にも上手いとは言えないもので、もういいかなと思いそのチャンネルを離れようしたそのときです。

 

私は奇妙なことに気づきました。

 

そのチャンネルの動画一覧のページが、いくら下の方にスクロールしても、いっこうに終わらないのです。

そうです。

そのチャンネルは、開設されてから2年程度しか経過していないのにも関わらず、数え切れないほどの動画を公開していたのです。

いえ、2年とかそういう問題ではありません。

たとえYouTube黎明期から運営されているチャンネルだとしても異様さは失われません。

 

正確な動画の数はわかりません。

ですが、1日あたりの公開数は平均20~30本だったことは確かです。

それが2年間休むことなく毎日続いているのです。

 

1日20本として2年間約700日。

 

20×700=14,000

 

大げさではなく、そのチャンネルでは、いえ、その彼は14,000本以上の動画を公開していました。

 

参考までに、私は現在2カ月に1本程度のペースで動画を公開しています。

マチュアであればごく普通でしょう。

ですが、このペースで14,000本の動画を公開するには2,300年以上かかります。

 

14,000という数自体が異常なのです。

 

 

ところで、なぜ2年も前のことを今更思い出したように記事にしたのか。

 

理由があります。

 

数日前私は件のチャンネルで一体今現在何本の動画が公開されているか、改めて数えてみようと、記憶を頼りにそのチャンネルを探しました。

ところが、残念ながらかのチャンネルは現在は公開されていないのか、なかなか見つけることができません。

そして、しばらくいろいろな検索ワードでかのチャンネルを探したところ、チャンネル名を変えたと思われる、かのチャンネルを見つけることができました。

 

案の定、ペースにして1日約10本という以前のペースに比べたら落ちた、とは言えとんでもないペースで動画を公開しています。

 

そこでふと私は、チャンネルの開設日に目が行きました。

開設日は約2年前。

どうやらその彼は前の14,000本のチャンネルから間を開けずに現在のチャンネルに移行したようです。

つまり彼は少なくとも4年にわたりほぼ毎日、平均1日15本程度、通算15,000本の動画を公開していたのです、そして今なおそれを続けているのです。

 

私は背筋にうすら寒いものを感じました。

 

 

しかしこれは、驚きの序章でしかありませんでした。

 

 

つづく