3月の道は桜の道

そろそろか。

 

書類を整理し終えひとりごちた。

23時30分。

まもなく終電の時間。

 

日曜夜。

休日出勤。

上司に申請した正式なものではない。

担当の仕事が終わらなかったのだ。

 

終電の時間は近づく。

だが動けなかった。

気がつくと日付は変わり、25時30分になっていた。

当然終電の時間は過ぎた。

スマホでタクシー配車アプリを立ち上げた。

 

タクシーの車中。

運転手は優しい口調で、遅くまでお疲れ様です、と言った。

 

あいまいに頷く。

 

帰宅。

 

生まれて初めて用もないのに親に電話をかけた。

 

慰めてほしかったわけではない。

自分の意志を試したかったのだ。

 

意志は変わらなかった。

 

翌月曜日。

 

会社に電話をかけ、体調不良で休む旨を告げた。

翌火曜日も同様だった。

 

そして翌水曜日。同様に電話をした。

やはり意志は変わらなかった。

 

職務を全うする力が私にはありません。

退職します。

 

 

3月。

まだ寒い折。

なぜか汗がにじみ出した。

 

そして、久々に夢も見ない眠りについた。