潮崎豪とミッシェルガンエレファント(前編)

潮崎豪というプロレスラーがいます。

2004年、プロレスリング・ノア(以下NOAH)でデビューし、三沢選手、小橋選手といった偉大な先輩の次代を担うホープとしてプッシュされてきました。

ルックスも体格もよく、将来を嘱望されたのはよくわかります。

NOAHの象徴であるGHCヘビー級王座は、歴代最多の5回戴冠しています。

 

そんな、会社に期待されていた潮崎選手についてNOAH入団以来の来歴を細かく書いてもおもしろくないのであっさり書きます。

 

2012年にNOAHを退団します。

2013年に全日本プロレスに入団します。

2015年に全日本プロレスを退団します。

2016年にNOAHに入団します。

2025年9月末を以てNOAHを退団します。

2025年10月11日現在全日本プロレスに参戦中です。

おそらくそのまま全日本プロレスに入団でしょう。

 

これらの退団の際には、保持していたベルトや自らがつくったユニットをほったらかしにしたことが複数回あります。

 

 

プロレスラーたるもの、よりよい条件や環境を求め渡り歩くのは私は悪いとは思いません。

 

ですが、潮崎選手は違うのです。

何が違うのか。

 

芯がないのです。

ベルトやユニットをほったらかすことからそれは明らかです。

そして、決定的に空気が読めないのです。

 

例を挙げたらきりがないのですが少しだけ。

潮崎選手のファイトスタイルは、基本的に師匠の小橋選手の真似です。それには目をつぶるとして、潮崎選手は技のみならず仕草なども小橋選手のそれを真似してしまいます。
チョップをする前の「行くぞー!」という叫びなんて、真似していい類のものではありません。叫びとは、心の奥底から湧き上がるもの。憧れからくる模倣の叫びに、ファンが魂を揺さぶられるはずがありません。


そして、発言がズレています。

 

いつ何時誰の挑戦でも受ける。

 

これを潮崎選手は言ってしまうのです。

ライバル団体、いえ、師匠筋であるジャイアント馬場のライバル、アントニオ猪木の名言をなんの臆面もなく使ってしまうのです。
もっとあります。

上記のように出戻りでありながら自らを「Ⅰ AM NOAH」と称してしまいます。

 

ざっと挙げただけでもこれだけあります。

ですが、おそらくこれを本人に指摘してもピンとこないでしょう。

私はその理由が、とあるプロレスラーのYouTubeチャンネルを見てわかりました。

 

そうです。

 

拳王チャンネルです。

拳王選手は潮崎選手とは正反対で、義理を通す、そして空気が読めるレスラーです。

 

拳王選手は看破しました。

潮崎選手は「天然」なのです。

天然は、武藤敬司選手のように魅力につながる場合もありますが、潮崎選手の場合は単に空気が読めないだけの、見ている側が感情移入できないレスラーです。

 

空気が読めないだけに、おそらく今回の全日本プロレス会場におけるブーイングも彼に響くことはないでしょう。

そしておそらく、潮崎選手は早晩全日本プロレスを離脱するはずです。

なぜなら彼は、自分が何を求められているかということが全く分かっていないし、現状をよくしようとする気概もないからです。

 

おそらく潮崎選手がしたいのは、小橋選手のように輝くこと。

ですが、そのために自分に何が足りないか、何をすべきかを考えることができないのです。

潮崎選手憧れの小橋選手を見ると、小橋選手からプロレスを取ったら何も残らない、と思わせてしまうような必然性や悲壮感すら感じます。翻って潮崎選手にはそれが全くない。単に小橋選手みたいになりたいという思いだけで、いわば、ファッション、コスプレがしたいだけで、プロレスを通して己を、そして美しさを表現したいという思いがないのです。

 

ここまで散々潮崎選手のことを悪しざまに書いてしまいましたが、視野を音楽に向けると、潮崎選手と同じようにコスプレがしたいだけなのではと感じさせるバンドがあります。

それは後編で書いてみたいと思います。