前編では、プロレスラー潮崎豪選手の引っかかる部分について書きました。
後編です。
ミッシェルガンエレファント。
もう解散しましたがお世辞ではなくかっこいいバンドです。
ですが私はどうしても好きにはなれませんでした。
何曲か好きな曲はあります。
ギターのフレーズを分析してみたこともあります。
ですが、好きになれなかった。
黒の細いスーツを着て、無愛想、ぶっきらぼうにふるまい、巻き舌でそれっぽく歌う。
言ってしまえば彼らはもうそれだけなのです。
切実さがない。
黒の細いスーツを着て、無愛想、ぶっきらぼうにふるまい、巻き舌でそれっぽく歌うこと自体が目的であり到達点。音楽を通して美しさを表現しようとする気概に欠けるのです。
彼らが考えるかっこよさとは、たまたま音楽をモチーフにしているだけであり、音楽でなければならないというものではありません。
いわば借り物、やはりコスプレなのです。
彼らがROOSTERSというバンドに影響を受けていることは有名な話です。
ROOSTERSのボーカル、大江慎也さん。彼の音楽を聴いて思うことは、彼はやはり音楽を通して美しさを、ひいては自己というものを表現しようとしているということです。
この構図は、前編で書いた、プロレスラー小橋建太選手にも共通します。
ROOSTERS、そして大江慎也さんの曲は様々な古典の引用がなされていることも有名な話ですが、そこに、借り物、コスプレ感を感じることはありません。
半ばパクリと言われてもしょうがない曲であっても、です。
ここまでくるともはや単なる好き嫌いであり、ここに書くべきではないかもしれませんが書きます。
先日たまたまYouTubeが自動再生したミッシェルガンエレファントのライブ映像のとある曲の冒頭で、ボーカルのチバユウスケさんは言いました。
「どっか行こうぜ」
よくは知りませんが、そのあと演奏した曲の歌詞の一部と思われます。
私は恥ずかしくなりブラウザごと閉じました。
翻って大江慎也さん。
とあるライブの最後の曲で大江さんは言いました。
「パーティー好きな人!」
ライブのオーディエンスはパラパラと恥ずかしそうに手を挙げていました。
パーティーが好きではない私ですら小さく手を挙げました。
そして演奏したのはソロの代表曲「GO FOR THE PARTY」です。
かつて私の友人がチバユウスケさんを評してこう言いました。
大江慎也になれなかった人
と。
見事です。
これほどミッシェルガンエレファントとチバユウスケさん、そしてROOSTERSと大江慎也さんを言い得た表現を私は知りません。