どうしたって気が合わない、波長が合わないという人はいます。
ご多分に漏れず私もそうです。
そして私が合わないのは、近所のスーパーのレジの女性です。
その女性。
見た目は好々爺然としていて、簡単に言うと、人のよさそうなおばさん、あるいはおばあさんです。
ところが、その方のレジを利用すると、これがうまくいかない。
やれ、スマホのバーコードの角度が悪いだの、クーポンを見せるタイミングが悪いだの言われてしまい、気持ちよく利用できません。
合わないのです。
私はそのことを認識してから、その女性のレジを利用するのをやめました。
そのレジがどんなに空いていてもです。
先日、いつものようにそのスーパーでレジに並んでいたときの話です。
私の前には4人ほど順番を待って並んでいました。
隣のレジをはじめ、ほかのレジもおおよそそのくらいの人数が並んでいます。
そのとき。
隣のレジに並んでいたお客さんが、買い忘れたものがあったのでしょうか、2名ほど急に列から去りました。
先述のとおり、その時点で私は5番目でしたので、隣のレジに移れば3番目になるわけで、得です。
ですが私は元のレジに残り続けました。
そうです。
そのレジの主が件の女性だったからです。
合わない人とはどうしたって合わないもの。
その女性のレジを利用して嫌な気分を味わうくらいなら元のレジ前で数分よけいにぼんやりした時間を過ごすほうがましなのです。
するとその女性のレジが空いたのを見て、ひとりの男性がそこに並びました。
その男性の順番が回ってきます。
男性が言いました。
「ビニール袋ください」
次の瞬間です。
女性は言います。
「ハイホノフォーワ」
男性は意味がわからず聞き返します。「え?」
女性は言います。「ハイホノフォーワ」
そのやりとりが4往復ほど繰り返されました。
横で冷や冷やしながら聞いていた私もその男性と同様で、まったくその女性の言葉の意味がわかりません。
そして5度目でようやくです。
「ハイホノフォーワ」が「サイズのほうは?」であると男性と私が聞き取れたのは。
この場合、その男性と私が二人とも聞き取れなかったのですから、女性の伝え方に難があったと言えようかと思いますが、問題は女性のしゃべり方ではありません。
女性が頑なに己のペース、しゃべり方を変えようとしなかったことです。
つまり、自分に非がある可能性に全く思いが至っていなかったことです。
私なら、3度目くらいのやり取りで「ビニール袋の、サイズは、いかがしますか?」とゆっくりかみ砕いて伝えます。
女性はそこを怠った。
その男性客は立派でした。
ニコニコしながら「ああ、サイズね。小さいのをください。」と答えていました。
私はその男性に心の中で伝えました。そのレジを使う際は、少し気をつけたほうがいいですよ、と。
私も散々同じ目にあいましたよ、と。
ハイホノフォーワ。
宇宙言語です。