踊る一寸法師。
私が好きなバンド、人間椅子の一曲で、名曲です。
踊る一寸法師というタイトルは江戸川乱歩の同名の小説から引用したものであり、「人間椅子」というバンド名自体が氏の小説からとったことは言うまでもありません。
ところでこの「踊る〇〇」というタイトル。
他にもいろいろ見かけますよね。
有名どころでは、ちびまる子ちゃんの主題歌「おどるポンポコリン」、ドラマ「踊る大捜査線」、(私は好きではありませんが)筋肉少女帯の「踊るダメ人間」(いつもながら好きではないものはタイプするだけで嫌な気持ちになります)・・・。
いったい元祖は何なのでしょうか。
古い映画で「会議は踊る」なんていうのもありますが、構成が違うので除外します。
調べてみたところ、やはりシャーロックホームズの「踊る人形」、これが元祖のような気がします。
余談ですが、この「踊る人形」。
原題は「The Dancing Men」とのことで、私はとある作品を思い出しました。
そうです。
アニメ、「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の笑い男です。
この「笑い男」、英語の表記は「The Laughing Man」なのです。
恐らくは「The Dancing Men」から引用したのではないでしょうか。
何にせよこの「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」が素晴らしい作品であることは言うまでもありません。
話がそれました。
乱歩は当然コナン・ドイルも読んでいたでしょうからその引用、といったところでしょう。
しかし、「踊る人形」でもシンプルかつ十分な怖さはありますが、「踊る一寸法師」というと、そこに和風がプラスされ、得も言われぬ不気味さが漂います。
引用でありながら本家に勝るとも劣らないすごみ。
本歌取りとも言いましょうか。
乱歩の力でしょう。
そして、その乱歩の作名を孫引きして、見事に怪しげで美しい世界を音楽で表現した人間椅子を、私は愛してやまないのです。