「95」早見 和真

初の読書感想です。

ネタバレあります。

 

ブログ開設の経緯どおり、正直おもしろくなかった、という感想です。

 

1995年と現在(2015年)を行き来しながら進む青春小説です。

 

地味な主人公が、「イケてる」クラスメイトと出会い、

「イケてる」ようになっていく展開です。

 

リーダー格のクラスメートは、祖父に総理大臣を持つ政治家の家系ということで

金回りが良く、使われていないカラオケボックスの一室(小屋)が

親からあてがわれています。

 

主人公はリーダーに見初められ、「なぜか」そのグループに勧誘されました。

 

グループは、先述の小屋で好き勝手に寝泊まりし、

洋服や食事はすべてお金持ちのリーダーが払ってくれます。

 

それまで地味だった主人公はすっかりその空気に染まって、新しい服をあてがわれ、

同じくその小屋で連日朝まで入り浸ります。

 

・・・、主人公の親は何か言わないんでしょうか。

主人公の母親は後半で「黙認していた」というようなことを

言っていますが、突然買ってあげてもいない派手な服を着だして、

金髪にし、外泊ばかりする息子を黙認する親がいるのでしょうか。

 

また、先ほど主人公が「なぜか」イケてるリーダーに見初められ、と書きましたが、

その根拠も全く説得力がありませんでした。

曰く主人公の彼が「主役だから」とのこと。

最後まで、主人公の彼が主役を張れるほど魅力的には映りませんでした。

 

そういうところを説得力を持って描く、読ませるのが作家の技量

だと思うのですが、そういうところが気になり、後半は読むのが苦痛でした。