四角い部屋を丸く掃く。
おざなりな、いい加減な様子を意味する言葉です。
四角い部屋は四角く掃かなければならない、それはそうでしょう。
ですが、気付いたことがあります。
この「四角い部屋を丸く掃く」。
この言葉が、掃除をしようと立ち上がる際の精神的な重圧になっているのです。
別に、四角い部屋はとりあえず丸く掃いておくという選択肢があっていいと思います。
完璧を求め四角く掃こうとして、億劫になり何もできない。
ですが気楽に丸く掃いてさえおけば、ある程度部屋はきれいになるのです。
私は妙に親兄弟や教師の言うことを真に受ける子供でした。
彼らは100点を求めます。
私も100点を求めました。
ですが、能力的に私に100点は無理で、結果私は彼らの期待にがんじがらめになり、10点しか取れませんでした。
今思います。
あの時もし最初から70点を目指していたら。
目標を常に100点に設定し、それが結果、70点に落ち着くという方針もいいでしょう。
ですが、能力のない私はそれをすべきではなかった。
70点を最初から目指していれば、まだましな結果になっていた気がしてなりません。
それに気づいたのはごく最近です。
人のせいにするようですが、人生を棒に振ったような気すらします。
私は、四角い部屋を四角く掃かなかければならないという強迫観念にとらわれて、丸く掃くことすらできないのです。