トーキョーストーリー

私が地方のシンガクコウに通っていたことは何度か書きました。

別に自慢でもなんでもありません。

そしてその高校で私は下から1番でした。地力がない上に努力もしないのだから当然の結果です。

 

 

進路を考えるときにこんなことがありました。

 

 

進路希望調査用紙に自らの志望校を書きます。

私は前述のとおりひどい成績だったのですが、いわゆる「いい大学」に行きたいという気持ちは人一倍強いものがありました。

私が書いた志望校は東京大学です。

これは、受けを狙ったわけでもないし、やけくそになったわけでもなく大真面目に書いたものであり、私にとっては当然のことでした。

 

その希望を受けて担任の教師と面談が行われます。

 

すると担任は言いました。

「君みたいなおとなしい生徒がこんな熱い気持ちを持っているとは驚いた。がんばれよ!」

そうです。その教師こそ熱い気持ちで私を応援してくれたのです。

 

 

そして問題の場面です。

 

別の日、職員室に用があった私は、とある数学教師に呼び止められこう言われました。

 

数学教師「お前東大行きたいんだってな。」

私「・・・、はい、成績が伸びれば行きたいです。」

数学教師クン「伸びれば?伸びればって水でもやれば成績が伸びんのか!」

私「・・・。」

 

私の志望を、数学教師チャンは一笑に付したばかりか、罵倒したのです。

 

私の「東京大学志望」が現実離れしていて、子供じみたバカな志望だということは否定のしようがなく、数学チャンがあきれる気持ちはわからないでもありません。

 

ですが、「水でもやれば成績が伸びんのか!」というのはただの中傷です。

別に私は数チャンはおろか誰かに迷惑をかけたわけではなく、小銭を握りしめて宇宙旅行をしたいと言っただけなのです。小銭を握りしめて宇宙旅行をしたいと言ったからといって、数サンに罵倒される覚えはないのです。

つまらない田舎のつまらない職場で、夢見がちな私は数ッチのストレス解消の格好のカモになってしまったのです。

 

つまらない話です。

バカな教師がバカな生徒をイジメた。

ただそれだけです。

 

ですが、それから何年たっても、このエピソードは私の記憶に残り続け、そして今でも私を苦しめ続けているのです。