「沢村忠に真空を飛ばせた男―昭和のプロモーター・野口修 評伝―」  細田 昌志

困りました。

 

もともとは「おもしろくなかった」本について、思うところを言うために始めたブログですが、本当におもしろくない本についての感想ばかりになりそうです。

半分は「おもしろかった」という感想にしたいところですがそんな本に全然出会いません。

やはり、ブログが「おもしろくなかった」というエントリーで埋め尽くされるのは気が滅入るものです。

 

そこで考えました。

 

今回は半ば番外編ということで、昨年私が匿名でAmazonに投稿した次の作品のレビューをそのまま転載してみたと思います。すでにAmazon上のそのレビューは削除しました。

 

今回このブログに転載するにあたって、レビューをアップデートしようと思ったのですが、やはり読んだ直後でないとビビッドな感想は出ないものです。

ついては、あえてそのまま転載したいと思います。

補足としては、昨年読んだ作品中ではトップ3に入る作品ではありました。

でも当時付けた☆は3つです。

 

 

~~~~~~~~~~~

 

沢村忠に真空を飛ばせた男―昭和のプロモーター・野口修 評伝―」  細田 昌志

 

 

まず気になったのは、この本にはフリガナがありません。
そもそもタイトルからして、「修」が「オサム」なのか「シュウ」なのか、弟の「恭」が「タカシ」なのか「キョウ」なのか、いちいち気になって作品に没頭できません。
また、使われる言葉が、「交誼」、「固陋」、「容喙」、「嚮導」・・・等、耳慣れないものが頻出します。
私が知らないだけ、と言われればそれまでなのですが、どうも、難しい言葉を使うことが目的になっているように感じられ、あたかも昨日覚えた言葉を使いたくてしょうがなくて、消化しきれないまま使用しているかのように感じてならず、いまひとつ本の世界に没頭できません。
また、「これについては検証が必要だろう」といった表現が何度か出てくるのも「(本旨から外れるからだとは思いますが)検証してから執筆して下さい」と言いたくなってしまいます。
この本の読者の皆様は、参考文献としても挙げられている「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」を読まれた方も多いと思いますが、「木村~」については、上記のようなマイナスポイントがなく、作品に没頭できました。
内容としては本作も負けないだけのものを持っていると思いますので、残念な気がします。
それらのマイナスポイントがなければ、☆4を投じたいところです。

 

3人のお客様がこれが役に立ったと考えています