いたんでいる

日本語にうるさい私ですが、かねてよりひときわ気になる言葉があります。

 

 

「いたんでいる」

 

 

です。

まずはひらがなで書いてみました。

 

漢字にすると

 

「傷んでいる」

 

ではありません。

 

「痛んでいる」

 

らしいのです。

 

「らしい」と書いたのにも意味があります。

そんな言葉を認めたくないからです。

 

前置きが長くなりました。

この「痛んでいる」はサッカー中継でよく使われるものです。

 

使い方は至極簡単で、選手が倒れて痛がっているときに実況が「痛んでいる!」というだけです。

 

「痛がっている」ではダメらしいです。

 

私は後にも先にもTVに投書なんてしたことはないのですが、何年か前にNHKにこの件について問い合わせたことがあります。

少なくともNHKには正しい日本語を使ってほしかったからです。

NHKからは丁寧な回答をいただきました。

要約すると、

「ご指摘のとおりです。しかしながら、スポーツ実況の場ではしばしば慣用句は使われるものです。ご了承ください。」

というものでした。

納得はできませんが、しょうがないんでしょうかね・・・。

 

あと、こういった議論の時に必ず出るのが「言葉というのは時代とともに変わっていくもの」という意見です。

 

それはわかっています。

ですがそれは、時代とともに勝ち残った場合に市民権を得て変わるわけで、そこに至る過程では「そんな言葉は認めない」という意見は必要なのです。

 

 

何年後か、あるいは何十年後、何百年後かに、「痛んでいる」は果たして市民権を得ているでしょうか。