悪い人じゃない

 

「悪い人じゃない」

 

 

 

ひとくせある人についての人物評でよく用いられる言葉です。

似た言葉に、「悪気はない」があります。

たいていは、言い方がつっけんどんだったり、言葉足らずな人に用いられます。

 

わからないでもありません。

そういった向き、分析もあるでしょう。

 

ですが私はこの「悪い人じゃない」に引っかかります。

 

極論を言えば、この「悪い人じゃない」彼、彼女は、全員悪い人です。

人は(大きく出ました)、言い方、態度も含めてその人なのです。

悪い人じゃない彼がひどいことを言った…。

その時点で彼は悪い人なのです。

(その真意を受け手に全て委ねるのは野放図に過ぎます。)

 

重要なのはここからで、彼は心がけひとつでその発言を反省し、改めることができるのです。ということはつまり、悪い人ではなくなるのです。

 

 

深く付き合えばその人の良さがわかる…それはそうでしょう。

腹を割って話し合えばその人の真意がわかる…それもそうでしょう。

 

ですが、その人と深く付き合う必要などないし、腹を割って話し合う必要もないのです。

 

重要なのは、人は誰もが悪い人であり、悪い人ではない。

そのことを心の片隅に置いておくことなのです。