子どもの頃、親が買ってくる洋服は深い青色がほとんどだった。

子どもだった私はなんの感慨もなくそれらの服を着ていた。

当たり前のルーティーンとしてそれらの服を着ていた。

 

その後、大人になり自分で服を買うようになった。

気づくと私は深い青の服を買っていた。

私にとっては、洋服は深い青だったのだ。

 

だが私は赤やピンク、水色などの明るい色が好きだった。

時とともにその嗜好に自覚的になった私は、明るい色の洋服を買うようになった。

そしていろいろな色やデザインの洋服を買うようになった。

それまで単なるルーティーンだった洋服選びが楽しいということに気づいた。

 

いろいろな洋服を試した私は、深い青の洋服を買うようになった。

私はこの色が好きだった。

 

親から与えられたのではない、自ら獲得した青だった。