何しに来たんですか

暇つぶしってありますよね。

 

多くの場合はすべきことから逃げているだけ、という説もありますが、暇なときはあるんです。

 

それはとある夏の日の午後、コンビニにフラッと入って買い物を済ませ帰宅しようとしていた暇な午後です。

 

私の家の近所で、今度建てられるマンションのモデルルームがオープンしてありました。

暇な私はその入り口に貼ってある案内をぼんやりと眺めていました。

そして立ち去ろうとしたその時、そのモデルルームの係の女性がやってきて「お待ちください!よかったら中まで入っていろいろご覧ください!」と私に言いました。

 

私は「いやー、なんとなく眺めていただけなんでいいですよ。」と答え立ち去ろうとします。

すると係の女性は「いいんです!少しだけでも!」と熱心に勧誘します。

 

私は正直言って興味はありません。何しろ暇つぶしで案内を見ていただけですから。

ですが、あまりに熱心なので中に入り、説明を聴くことになりました。

 

説明をするのは別の男性で、少し先ほどの女性より上の立場の方のようです。

 

一通り男性の説明を聴き、申し訳程度に質問などして義理を果たしたと思った私は「ご丁寧にありがとうございました。ではこれで。」と言い辞去しようとします。

 

すると男性は「資金計算だけでもしていきませんか?」と言います。

 

私は当初と同じように「いやー、十分わかったので大丈夫ですよ。」と答えます。

 

すると男性の次の発言。

 

 

 

「資金計算もしないで何しに来たんですか?」

 

 

 

我が耳を疑いました。

 

私「え?」

 

男性は見下した口調で続けます。

 

 

 

「資金計算ってなんだか知ってますか?」

 

 

 

私はもう我慢できませんでした。

「失礼でしょう!」と言い残して去りました。

 

入り口に設置してあった看板の電話番号をメモすることを忘れずに。

 

 

 

帰宅後、しばらくたってもやはり怒りは収まらず、苦情の電話を入れることにしました。

 

すると、電話は本社のしかるべき担当部署につながると思ったのですが、なんとその電話はいましがたのモデルルームにつながりました。

 

そして電話に出たのは先ほどの最初の女性です。

私は上の方を出してほしい旨を伝えます。

 

すると出たのは・・・、ご明察。

先ほどの男性です。

 

私は今一度先ほどの対応は納得できない旨を告げました。

男性は全く謝ることなくあれこれ理屈をつけます。

私は次第にあきれてきて最後に一言こういいました。

「まずは興味をお持ちいただきありがとうございます、ということから始まるのではないでしょうか。」

 

すると男性はこうです。「いえ。違います。」

 

私は「もういいです。」と言い電話を切りました。

 

男性の言い訳はその後も続くのでしょうが、納得できないことは想像に難くありません。

 

 

こういう経験は、コミュニケーションするに際し、臆病さを招いてしまうんですよね。

本当は糧にしないといけないのですが。

 

暇つぶしが思わぬ疲れを招いた、そんな夏の日の思い出です。